2010年07月12日

夏風邪/超短落語

(出囃子)♪でんでんちんちんでんちんちん♪
 え〜、(ゴホッ、ゴホッ。)失礼を致しました。(^_^;)
私、風邪を引きまして。
いわゆる夏風邪ということになるんでしょうが・・・。
まぁ、夏風邪といいましても、インフルエンザのようにやれ香港型だとかロシア型だとか、
取り立ててそんな種類が有るわけでもないのかと思いきや、そうでもないようで。
暑さや湿気を好んむウィルスがいるそうですなぁ。
特にこんな梅雨時なんぞに引きますというと、じめじめした湿気でウィルスが大暴れしてやっぱり治りが悪いようです。

大家;「おい熊、熊はいるかい!?」
熊五郎;「ゴホッゴホッ、誰だぁ? 借金取りならけえ(帰)ってくれ!今、病にうなされてんだぁ!もうすぐ死ぬんだから、なけなしのこの六文は誰にも渡さねぇぞちきしょう!さぁさぁけえったけえった!ゴホッゴホッ。」
大;「借金取りじゃぁねえよ熊。大家の五兵衛だよ。おやまぁ、こりゃひどいねぇ。」
熊;「ああぁ、大家さん、・・・なんだい、もっとタチの悪い奴が来やがった・・・。」
大;「何か言ったかい?」
熊;「いえいえ、こっちの話で。」
大;「向かいの八兵衛に、おまえさんがもう十日も風邪で患ってるって聞いたから、こうして精のつく鰻の蒲焼き持って来てやったんじゃぁないか!?それをなんだい、タチの悪い奴とは!こんな時まで店賃の催促なんかしやしませんよ、あたしゃぁ。」
熊;「あ、聞こえました?ゴホッゴホッ。」
大;「しかしまぁ、ひどいねぇこの部屋は。」
熊;「もう四十年も経つんでしょ?この長屋。あっしが来たときからこんな調子ですぜ!ゴホッゴホッ。」
大;「悪かったね、ボロ長屋で。あたしが言ってんのは、この部屋の散らかり様のことだよ。」
熊;「あぁ、さっき台風が家ん中通るまでは小綺麗だったんですけどね。ゴホッゴホッ。」
大;「余計な心配して損したわい。」(帰ろうとする大家)
熊;「何だい!大家さん、蒲焼き持って帰っちまうのかい?」
大;「ああ、そんだけ減らず口を叩ければ大丈夫だろ。」
熊;「待っておくんなさいよ。ほんとはもう死にそうなんですから。ゴホッゴホッ。」
大;「何を言ってるんだい。病人前にして小言もどうかと思うが、日頃婆さんと言ってただろ!早く嫁の一人ももらいなさいと。そうすりゃ、こんな時だって困りゃしないんだよ!」
熊;「二人いたらもっと助かる!」
大;「調子に乗るんじゃぁないよ。それはさておき、川向こうの梅安(ばいあん)先生んとこには行ったのかい、えぇ?」
熊;「金もねぇのに、先生が診てくれる訳があるはずありませんやな?」
大;「そこは先生だって承知さ。あるとき払いにしてくださるに決まってるだろ。」
熊;「そんなもんで?ゴホッゴホッ。」
大;「当たり前じゃぁないか。だがこうして私が知った限りは、薬代を立て替えようじゃぁないか。」
熊;「ありがてぇ。店賃棒引きにしてもらった上に薬代までもらえるなんて。」
大;「店賃はしっかりもらいますよ〜。そして、薬代もきっちり返してもらいますからなぁ!」
熊;「こわっ。調子に乗ったあっしが悪〜ござんした。・・・でも大家さん、ここんとこ三、四日続いた雨で、川、渡れるかどうか。ゴホッゴホッ。」
大;「あぁ、そう言やぁ昨日、渡し船は休みになってたなぁ。」
熊;「川にもあっしにも、せき止めが必要ってこってすねぇ!?ゴホッゴホッ。」

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posted by 日向 at 22:03| 東京 ☀| 超短落語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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